神戸の街を代表する六甲山、植林後約110年経過し十分な手入れがされていないため今後森林を維持・再生するのに昨年度 森林整備計画策定の検討会議5回行なわれました。
そして準備期間のモデル整備とともに短期2025年・長期2050年として目標年次まで設定されました。
しかし六甲山だけでも森林が約9,000ha(道路用地も含む)あり、約半分が民有林であります。
これを大規模整備事業ということで〝整備戦略〟という表現を使っていることに大変疑問を感じています。
何故なら現状、課題そして将来像、整備方針等は検討できますが、最も重要なことは整備費用の資金調達であります。
このことについては森林生産物による収益、個人や企業による寄付金、基金運営や公益信託を利用したファンドの確立等、具体性のない絵 を描いていると思います。
私は資金調達計画を立てていくことこそ本当の意味での戦略であると思います、そこで・・・
――――― 皆さん、条例で決定された「県民緑税(みどりぜい)」をご存知ですか? ―――――
== 県民緑税の概要は ==
① 課税方式 県民税均等割の超過課税
② 納税義務者 個人 1月1日現在で県内に住所を有する人
法人 県内に事務所等を有する法人等
③ 超過税率(年額) 個人 800円
法人 表示税率の均等割額の10%相当額
④ 課税期間 《第2期》H23~27の5年間【《第1期》H18~22を延長 】
⑤ 税収規模 約120億円(5ヶ年)・・・(年間約24億円)
⑥ 使途 森林整備・・・約88億円 (73%) 年間約17、6億円
都市緑化・・・約32億円 (27%) 年間約 6、4億円
⑦ 神戸市域内 約36、5億円(個人約26、5億円 法人約10億円) (5ヶ年)
税収見込み額 年間約7、3億円(個人約5、3億円 法人約2億円)
以上 県民緑税の状況ですが、第1期(5ヶ年分)では県から神戸市への補助は年間約1、5億円であります。
神戸市民が納めた県民緑税の中から約20%程の補助金しか頂いていません。
森林整備(対象六甲山等)だけ見ると第2期1年分は約5,000万円の補助金だけであります。
納得できません!
150万神戸市民は同じく県民でありますので県の条例で緑税を強制的に徴収しますが配分は神戸市の納税者人口の配慮は全くなく大きく公平さを欠いています。
このような状況を神戸市建設局や行財政局は放置してきたのではないでしょうか。
財政局は県要望しているとのことですが、この際私は次期5ヶ年更新をする可能性がありますので公平な予算配分を県に強く求め、認めていただけないなら次期更新後の緑税徴収作業を拒否するぐらいの交渉をすべきと申し上げました。
場合によっては神戸市単独の緑税に切り替えたいぐらいであります。
市民財産の六甲山森林保護を建設局が本気で取り組んでいくなら、このような財政問題を見過ごしていては〝戦略〟という言葉だけ踊って、結局森林整備は進まないのではないでしょうか。
県に対しては建設局だけではなく行財政局・環境局等とともに各局が一体となり神戸市全体の問題として戦うような気概を職員さんは持つよう求めます。
その後、企画調整局より新たに「六甲・麻耶活性化委員会」を発足するとの報告を受け、既に建設局が「六甲山森林整備戦略」を打ち出しているのに調整もなく、この六甲問題でもやはりバラバラで進めていくようです。
まだまだ意識改革にはほど遠いようです!
神戸市会議員 平野章三