兵庫県保健医療計画の改定による基準病床数の見直し

新病院イメージパース
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22年度第1回神戸市保健医療審議会が4月28日に行われた。いのちを守る医療体制としては、市民ニーズに適切な医療サービスを提供し続けなければなりません。

救急医療、周産期医療、小児救急を含む小児医療等、医療課題が山積みしており、兵庫県保健医療計画改定に伴い、審議会では、今回、神戸圏域として保健医療圏域にこだわらず、地域の実情に応じて疾病・事業ごとの圏域を柔軟に設定する方針です。

そこで平成23年4月の改定期限に、特に基準病床数の見直しを行うこととなります。

 

 「神戸圏域の重点推進方策の主な項目内容」

 

1.神戸こども初期急病センターの整備、運営について

  平成22年12月に休日・夜間365日の初期救急医療拠点をHAT神戸(神戸市中央区)開設予定。

 

2. 高度専門医療機関などが集積するメディカルクラスターの形成(神戸医療産業都市構想について

  がんや移植再生医療等に特化した複数の高度専門医療機関を誘致する。

 

①神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)

世界的権威である田中先生(公益財団法人神戸国際医療交流財団理事長)が具体的に取り組んでいる、生体肝移植を中心とする肝疾患治療・内視鏡治療・鏡視下手術を中心とする消化器がん治療

 

②神戸低侵襲がん治療センター

神戸大学医学部付属病院杉村病院長が具体的に取り組んでいるがんの放射線治療・化学療法を中心とする病院

 

3.新中央市民病院の移転について

 救急医療の充実として救急専門病床の30床から50床へ増床、HCUの設置や院内導線の短縮などの対応を行う。平成23年7月頃700床に開設予定

 

4.休日歯科治療について

 休日歯科診療を実施している(社)兵庫県歯科医師会が平成23年3月末の事業終了予定により、神戸市内における休日歯科診療の計画上に位置づける必要について

 

以上「神戸圏域重点推進方策」の改定に向けて、兵庫県との協議・調整が行われるため、神戸市内の医療体制にとって重要な審議会になります。 

西神戸医療センター外観
西神戸医療センター外観

さて、基準病床数の見直しの必要性として、現状は市民の最後の砦とも言われる高度医療としての神戸市中央市民病院(3次)や又、西神戸医療センター(2,5次)などは神戸市民以外、市外の多くの方々が受診に来られています。

 

例えば、西神戸医療センターでは一日だけで2000人近くの受診者があり、6室ある手術室もフル稼働していますが、もはや限界に近い状況です。せめてなんとか増床する為にも、使用できない100床の結核病床のうち、50床を一般病棟に切り替えるなど、要望を実現しなければなりません。

しかし、神戸圏域はすでに基準病床数を約1700床ほど超えており、病床については厳しく規制されています。

 

そこで、このような高度医療に関しては、神戸圏域としての判断ではなく、一定の圏域範囲を拡大するように発言致しました。更に新中央市民病院を中心とした高度専門病院郡の整備については、医療サービス水準の向上として次世代の医療システムの構築との観点から、基準病床数とは全く別扱いすべきで、専門的な部会をもって審議するようにしていきたいと思います。

特に倫理の順守と十分な安全対策をふまえた上での高度な判断により、最高の医療が提供出来る様に申し入れております。

 

今後、私はこのような考え方で兵庫県にご理解していただくよう、引き続き発言して参りますのでご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 

      神戸市会議員 平野章三

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